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梅雨

五月も後半となり、もうすぐ梅雨の季節ですね。

東洋医学(漢方・中医学)では、先ず自然界の正常な6つの気候(風・寒・暑・湿・燥・火[熱])の変化を「六気(ろっき)」といいます。
また人体側の抵抗力の低下が起こったり、 或いは普段の適応能力を超えるような異常な気候変動があれば、六気は、「六淫(ろくいん)」といった人体に病気を引き起こす原因になるといわれます。

たとえば、六淫の「湿」は、長夏(旧暦6月頃)の季節や湿度が高い環境に現れやすく、人体の「臓腑」の「脾胃」を損傷しやすいといわれ、また「重濁(じゅうだく)」・「粘滞(ねんたい)」等の性質があるといわます。
そのため、「湿」が人体に影響すれば、胃腸機能が低下したり、或いは身体や頭が重いといった症状が現れたり、或いは分泌物がベトベトしたり、患部の浸出液が多かったり、傷が治りにくい等の症状が現れたりするといわれます。

また水分の取りすぎや水分の代謝の低下によって、人体に内的な「湿(内湿:ないしつ)」があると、外的な「湿」の影響を受けやすくなるといわれます。
普段からむくみがあったり、肥満傾向(水ぶとり体質)、或いは湿度が高い季節や環境、曇りや雨の前に体調が悪くなりやすい方は、水の病である「内湿」がある可能性があります。

※東洋医学では、舌の状態から、水分の過多をある程度観察することができます。
たとえば、舌の苔が厚かったりすれば、湿が停滞している可能性があり、或いは舌に歯の痕が残り、舌辺がギザギザした形をしていれば、脾胃虚弱が生じている可能性があります。これは、脾胃の機能が低下することで、水分代謝が低下し、舌がむくんで歯に押し付けられているからと考えることができます。
また舌の苔の色からも、身体が状態が寒であるのか、或いは熱であるのかを知ることができます。
そのため、東洋医学では、舌の苔の状態は、体質や病性を知るうえで重要な手がかりになります。

これから、湿度が高い季節になりますが、水分の取りすぎに気をつけて、また消化の悪いものや冷たいものをなるべく避け、胃腸に負担をかけないようにし、「内湿」を貯めないようにしましょう。或いは適度に身体を動かして、代謝を促したり、汗をかくことで余計な水分を溜め込まないようにすると良いでしょう。
食べ物では、生姜・豆類(黒豆・大豆・小豆等)・大根・カブ・山芋等は、水分代謝を助けてくれる野菜になります。
この梅雨の時期に食卓に取り入れてみては、いかがでしょうか。